2008年02月04日

身近な人に疎まれる

なぜ、認知症の方との関わりの中で、自分の過去とリンクしてしまうか?
特に隠していたわけでもないが、文献や専門的知識によるものではなく、私の経験値として納得するものがあるからだ。


認知症の方たちには記憶障害というものがある。
特に最近の事を忘れてしまう。
自分に話しかけられている事が、解らなくなる。
「入らなくなる」とよんでいる。

何回も言われても解らない。
故に、「なんで解らないの?」と怒られる。
怒ってはいないかもしれないが
認知症の方たちは、周りの人の口調や表情に敏感だ。

「感情記憶」といって
喜怒哀楽に関する記憶だけが残っていく事が多く
すなわち、怒られた・疎まれた
・・・・・そんな想いだけが残ってしまう。


身近な人から疎まれる事は、言いようのない不安を呷る。
何故か解らないのに、自分は嫌われているように感じる。


「あんたさえ生まれなければ、私はこんな人生じゃなかった」


母の口癖だった。


今でこそ珍しくないできちゃった婚だった両親は
あまり仲は良くなかったようだ。
ほとんど家に帰らず、蒸発したかのような父と
先天性心疾患を患っていた弟
毎日の病院通い
弟の死
その直後の私の対人恐怖症


本気ではなかったと思いたいところだが
母にしてみれば
妊娠しなければ、こんな展開にはならなかった訳で
あたり所もなく
そう言いたくなる気持ちがあっても仕方がない
今なら、そう解釈も出来る。


でも、
身近な家族から
いちばん安心できる、信頼出るものから
疎まれる
嫌われる


これは、壮絶な不安と恐怖を呼び起こします。



幼児も認知症高齢者も

なんで、そうなのかが解りません。
なんで、怒られるのか?
なんで、嫌われるのか?
自分はなんなのか?



少し、大変かもしれませんが
「あ、そうなんだ」と思ったら
何か言いたくなる前に、一呼吸入れてみてください。


それだけで
少し救われるかもしれません。

posted by 木下 小櫻 at 00:39 | Comment(0) | 不安を呷るモノ

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