2008年03月07日

逮捕者が出る前に。

認知機能や精神機能に支障を来たしてくると
「被害妄想」が出現する事はままある。

例えば
自分に対する誹謗中傷があるように思えたり
身の回りのものを紛失し、誰かに盗られたと思ったり
身体や家屋の傷を、あたかも誰かが故意にやっていったように思ったり
なんらかしら、自分に対する不利益が起こったかのように思ってしまうことがある。

これらは
その本人にとっては、「現実」になってしまう。

そして被害妄想の対象になってしまう人がいる。

何もしていないのに
当事者になってしまい
精神的なダメージは大きい。

もちろん
被害妄想に支配されている本人はもっと辛い。
何か悪い事をされている、悪い事が起こっている・・・・・
そんな想いで、24時間、四六時中暮らしていては
更なる精神的ダメージを負ってしまう。


これらは
環境や、接する人を変えてみるだけでも落ち着く事もある。
しかし、根強く残る事の方が多いような気がする。
それには、それまでの歴史や背景・関係性が関係する。


被害妄想に限った事ではないが
出来る限り、環境の調整や関わり方で改善できるように努めるが
その症状や程度などによっては
適度な加減の適切な薬物治療を必要とする。

特に、自傷他害の危険性が高い場合などは急を要する。


被害妄想の相手が固定していて
その対象となる人物の動向を把握していて
行動力もある。

本人にも家族にも
病識がなく、受診の必要性を感じておらず
数年の放置期間がある。
本人から、具体的な行動の予定の宣告があり
専門職としては、早急な対応の必要性を感じる。

専門的治療には、要保護義務者の同意がいる。
よって、家族が必要性を理解し、一緒に動かない事には治療は開始されない。

行政や関係機関へも相談を持ちかけるがラチがあかない。

「何かあったら警察へ」



・・・・・医療・福祉・介護に携わるものとして

「何かが起こる可能性」が大きい事が解るから
「何かが起こる」前に、適切な対処をするべきだと思う。

事が起こる可能性を把握していながら
事が起きない為の処置を講じない。

・・・・・それでは、専門職である意味がない。


病気であるが故の、行動であるのに
逮捕者が出てしまっては
なんの為に、私たち専門職がいるのか判らなくなってしまう。


この事に限らず
地域でノーマライゼーションを考えるならば
地域住民に対するなんのかんの以前に
行政や警察・消防・保健福祉事務所・病院、施設関係・・・・・
生活を支える関係機関が
もっと風通しを良くして
お互いに責任の擦り合いをせず
連携して、取り組む意識がなくてはならないはず。


もう、ずっとずっと前から
そんなの当たり前にやっている自治体だってあるというのに


一体全体、どうなっているのだ?


コレは、私の率直な感想。


事件になる前に、
専門職や関係機関が動かなくてどうする?


posted by 木下 小櫻 at 00:21 | Comment(0) | 認知症

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