2008年04月17日

黒で塗りつぶされた絵

いろんな色のクレヨンで
クルクルクルクル画用紙一面をらせん状の円を描き
たくさんの色で埋まったその画用紙を
最後は几帳面に黒で塗りつぶす

彼のスケッチブックは
最近、すべてそのパターンだった。

若年型アルツハイマーで進行の速さが気になる利用者。
認知症の専門医は
男性は仕事をしていた時期に戻る事が多いと言ったが
彼は子供の頃に還っているように見られた。

おそらく
発症した頃
自分から退職願を出し
毎日のように外出し、帰宅も遅くなりがちで
どこで何をしていたのか分からなかったと家族は言う。
きっと
いろんな事を忘れてしまう自分に対する不安と
たった一人で戦っていたのではないかと
憶測されるその想像される過去は
筆舌に尽くしがたい。

今、子供に還っているように見られるその姿は
毎日が楽しそうにも、一見感じられる。

でも、
進行して、無邪気にしている、今でさえも
彼自身の気持ちや、感情、どうしたいのか
ほとんど訴える事がない。
組み立てて表現する事ではなく
サインとしても
本当は何を感じているのか
本当はどうしたいのか
行動から、基本的な生活に結びつく気持ちなどは図る事もできるが
もっと奥深いところで
彼の気持ちが何処にあるのか

黒で塗りつぶされた絵を見て
今の彼も
やっぱり遠慮して自分から訴える事をやめてしまっているのではないか・・・・・
周囲を気遣って、心の奥底に仕舞い込んだままなのではないか・・・・・
優しく笑うその目の奥に映るものは何なのか・・・・・

いろんな思いが過ぎります。

何か望んでいることはないのか?
家族に伝えたい事はないのか?

長く家族と笑って過ごせるために出来る事は何なのか?


手伝える事は何かないか?
少しでも生活を継続していくためのサービス調整だけではなく
気持ちに寄り添う支援はどうしたら出来るのか?



考える事もしながら
彼の言動や行動・しぐさ・表情
いろんなモノを見落とさないようにしたいと思う。




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posted by 木下 小櫻 at 01:23 | Comment(2) | 認知症

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