2008年05月02日

搾取 短期記憶障害のケース

最近、新規ケースとして関わらせていただく際に感じる事。
それは認知機能の低下が進行している方が多い事。
そして、いろんな形をした虐待・搾取が多い事。
また、悪質な訪問販売等の業者が多い事。

これらに関しては、強い憤りを感じます。
認知症でなくても、高齢者は適切な判断が難しくなってくる方もいます。
また、頼まれたり怖い思いをしたりしても、断れずに・・・・・という事もあります。
抵抗したくても、抵抗できるだけの体力もありません。
挙句の果てに、認知機能の低下した方から、騙し取ったり、無理やり契約させたりなんて、人として有るまじき行為です。

あまりにも多いこの現実に
怒りを感じつつ、現代社会に対する諦めまで感じます。



「頭が悶々とする。母親譲りなんだ。」
と、彼女は微笑んで話す。

最近になって支援を開始した女性は、短期記憶の低下が著しかった。

初めて訪問するにあたって電話でのアポを取ったが、その際のやり取りに不安を感じた。
今日の日付も、約束の日時も理解していない。
保険者に連絡を入れ、血縁でない子との連絡がとれ当日立ち会っていただけることになった。

その日、自宅に入り込んだ瞬間に早急に支援開始が必要だと感じた。
空気が・・・・・止まっている
・・・・・そんな印象だった。

独居。
キッチンの散乱具合から、同じものをたくさん買ってきていることが伺えた。
自分がいろんな事を忘れてしまっている自覚がある状態で、その自己表現が冒頭の言葉だった。
「忘れちゃうからメモをするの。でも、書いてある事が何だったのか分からない。」
「メモをしてから出掛けてもメモを持っていることを忘れる。」
「結局、メモした事も忘れて、同じものを買ってきてしまう。」

近所や慣れた所へは自分で行く事が出来るが、不慣れな場所では道が分からなくなる。
何度も鍋焦がしをしているから、レンジ調理の食材しか食べない。
気に入らないと、どんどん病院を変えてしまうため同成分の薬が必要以上にある事。また、内服管理は不良でふと思い出したときに飲んでしまっている事。
ぼんやりとしている時でなければ、来客の対応はいい感じに取り繕って出来てしまう事。

ある程度の判断は出来ているようだが、寸前の事、最近の事は、解らないものが多い。


中でも心配なのは
7桁単位での金銭の紛失がある事。

クレジットの請求書が来ているが、クレジットを利用した覚えもなければ、何かを購入した形跡もない。
もともとカードなど使用した事がないから、余計に解らない。
親族へのプレゼントにしては高額すぎる買い物があり、
本人自身、熱心ではない高額なお布施を必要とする新興宗教の冊子がたくさんある事。
最近になって養子縁組をしている事。



支援開始になったばかりで全容はまだ見えないが
早急に対応が必要と考える。
忘れっぽくなった自覚はあっても、第3者の介入までは必要だとは思っていないため、サービス利用に繋がるまでが大変になるだろうと思われる。
何回か訪問させていただいているが、毎回新鮮で
玄関を開ける時はいつも怪訝そうだ。
話をしていくうちに気持ちを開いてくれるが、次回訪問の時には最初から繰り返す事になる。

生活面の支援と、認知症進行の予防。
そして、利用者の不利益が起こらないような体制。
権利擁護事業を利用の方向で話を進めているが、彼女自身の納得と意志を、どのように得るかがカギ。


彼女の生活や権利を守る。

今の私がする事は、
何度も伺っておぼろげながらでもいいから、
この顔を覚えてもらう事。
「そういえば見たことのあるこの顔は、自分の事を気に掛けてくれる人」
・・・・・まずは、その位の認識が得られるように
・・・・・並行して、更なる被害が出ないように具体的な支援体制を組めるよう調整しながら動いていく。




いろんな事を感じながら
いろんな想いを抱えたまま
諦めさえ感じる気持ちを打ち消しながら
社会に少しずつでもいいから、いろんな事を知ってもらいたい。


1人じゃ潰されそうになりそうだけど
同じように考えたり、悩んだり
いろんな意見をくれたり
気に掛けてくれる人たちがいる。


だから、今日も頑張ろうかなって思える。


だって、許しがたい現実が、
担当させていただいている人たちに
地域の人たちに起きているから。




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posted by 木下 小櫻 at 02:58 | Comment(5) | 認知症

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