2012年01月03日

ケアプラン1.5票って何だ!?平成27年度介護保険改正に向けて、日本介護支援専門員協会はプライドを捨てるのか?

いよいよ来てしまった平成24年。
平成24年度介護保険改正が、この春施行されてしまう。
皆さん、ご存知のとおりプラス改定とは名ばかりで、かなり現実離れした改正が行なわれる。

高騰する医療費削減の目論見で、介護に医療を重点化し、
施設に入所することもなく、病院に入院することもなく、
「おとなしく自宅でお亡くなりになってくださいよ」
これが、国の本音でしょう。

これから先は、平成24年度改正の先、更に3年後の平成27年度介護保険改正に向けた動きの話です。
今回、介護支援専門員が作成するケアプランの利用者負担導入は見送られました。

加齢や疾患・障害などを抱えつつもその人らしい生活を実現するため、支援を受けながらもその人らしい自立した暮らしを送るため、私たち介護支援専門員は利用者の意欲や願いに寄り添い、公正中立を守り個別性のあるケアプランを利用者とともに作り上げています。
介護保険の理念を貫くためにも、この「ケアプランに対する利用者負担」は導入するべきではないと思っています。
今後も継続審議に掛けられると思いますが、ぶれることなく守っていかなければならないと思います。

このケアプランのあり方や、介護支援専門員そのものの立場を揺るがす動きが、以下いくつかあるようですので記載します。

まず平成24年度介護保険改正の後、ケアプランのあり方、様式の変更、考え方そのものが変更に掛けられようとしています。
現在までに、その形や内容だけでなく概要すら伝えられていないものとして、

《ケアプラン1.5票》というものが、日本介護支援専門員協会で製作中であると24年度改正のポイントを説明に来県した木村会長が言っていった。
しかし、その製作意図というのが意味不明である。


この間、平成24年度介護保険改正・その後の継続審議内容・また福祉関連全体において一貫して社会保障審議会であがっている内容として、
地域社会での暮らしの実現・地域医療の推進・訪問看護を主体としたアウトリーチ・・・
等々が謳われている。
我々、介護保険関連でも同様で、先に述べたように地域社会での暮らしの維持を掲げて訪問看護を重点とする、いわば地域で医療のほうもお願いしますよ的な流れが推し進められている。

そして、それは介護支援専門員にもすでに投げかけられている。
この「ケアプラン1.5票」というのが、まさにそれである。

何故、ケアプラン1票とケアプラン2票の間に、「ケアプラン1.5票」なのか?

ここ最近の審議の内容として、ケアマネジャーは医療に弱い・医療系基礎職種のケアマネジャー受験者数が減り介護福祉系基礎職種のケアマネジャーが増えている・・・等の論点が取り立たされている。
そして、要介護認定を受ける高齢者が激増・要介護状態が改善しない利用者がほとんどという結果内容を、「ケアマネジャーの医療知識不足」に無理やりつなげている。

ここまで話してお解かりだろうか?

「ケアプラン1.5票」とは、「治療モデル」なのだ。

は?何を今さら・・・?
これは、私の率直な意見だった。

国や日本介護支援専門員協会が主張する内容としては、“ケアプラン1票と2票が連動しないケアプランが多く散見されるから”、『君たち、この部分が苦手でしょ?だから僕たち(日本介護支援専門協会)が、1.5票作ってあげるから』
・・・だ、そうだ。

聞いて呆れる。

これまで、生活重視の視点を掲げて、ICFの考え方を徹底してやってきたのは一体なんだった?

ライフステージの最終コーナーを回る高齢者が、より自分らしく暮らすためにしたいこと・出来ること・願うこと・・・そういったものを重視してきたはずである。
実際的にも、1年1年歳を重ねる中で、どうしたって加齢に逆らえない場面は出てくる。
それでも暮らしに重点を置き、その生活を守り、様々な支援を受けながら自分らしく暮らすこと。
そんな当たり前のことが、介護保険の世界ではないだろうか?

どんなに頑張ったって、努力したって、加齢に逆らえない日はやってくる。
転んだり、風邪引いたり、脳梗塞を起こしたり、物忘れが進んだり・・・

だからって、何故そこに治療モデルを導入する必要がある?
ケアマネジャーが医療に弱いから?介護福祉系基礎職種が増えたから?

私は、基礎職種看護師だが、ケアマネジャーを生業とするのに何より大事なものは
「人々のいろんな暮らしを知っていること」
「ただの何でもない普通の暮らしや感覚を知っていること」
「どれだけ利用者の気持ちを引き出す事ができ、それに寄り添うことが出来るかどうか」
それに尽きると思っている。
そこにいきなり、治療モデルに逆戻りして、「はい頑張れ頑張れ、リハビリ頑張れ」「これが出来ないから、このサービスで補填しましょう」と言えというのか?

大体、国も日本介護支援専門員協会も、肝心な本当の事を理解していない。
介護保険が始まる前、こぞって医療現場の看護師が介護支援専門員の資格試験を受験した理由。
「勤続年数5年を超えている看護師は、とにかく何でもいいから受験しろ」
「介護保険が始まるのに、ケアマネジャーがいないとならないから、とりあえずどうとでも使うことができる看護師に受験させておけ」
これが、どこの医療現場でも上層部が考えた本音だろう。

介護保険も波に乗り、本来ケアマネジャーとして働きたい介護福祉系職員が勤続年数5年を超え受験するようになり、
実際に介護報酬が下がる、もともと低い設定になっている以上、人件費の高い看護師をわざわざ受験させなくても良くなった、
実際に介護系施設やサービス提供事業者が伸び悩む中、そしてケアマネジャーの忙殺振りが社会的に目に見えるようになった今、わざわざケアマネジャーを受験する看護師が減った。

これが、医療系基礎職種が減った本当の意味だろう。

そして、標準ケアプランの提示・・・。

つまり、「あなたのような方であれば、まぁこんなサービス利用が一般的ですね」となる訳っすよね?
思いっきり「サービスありき」じゃないですか?
個別性・その人らしさはどこに行ってしまうのですか?

何度も何度も、このblogで訴えて来たとおり、私は在宅重視の考え方やいつまでも住み慣れた地域社会での暮らしを維持することそのものに対しては賛成です。

ただ、そこに歪曲した国の考え方、目論見を無理やり乗っけて、さも正論のように語られることに関しては甚だ迷惑であり、憤りを感じます。
社会保障全体が揺らぐ中、限りある財源の中で社会保障をどう守っていくのか、国でも大変なことは良く分かります。

しかし、そこに社会保障全体の、介護保険そのものの理念を捻じ曲げるのは止めて頂きたい。


3.11の震災後、生活不活発病という言葉が一般に周知されてきています。

この事からも、健康な、意欲的な、その人らしい暮らしを送るためには、何より「いつもの生活の維持」が大切であることが良く分かったはずです。

日本介護支援専門員協会は、私たちの職能団体のトップとして、
ケアマネジャー不要論が何故起きるのか、
ケアマネジャーが介護保険の要であると誇りを掛けて胸を張れるためには、
ひとりひとりの利用者の意欲と気持ちと暮らしを掛けて、
私たちケアマネジャーは何を守るべきなのか、プライドを掛けて考え直していただきたい。




木下小櫻
posted by 木下 小櫻 at 15:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | ケアマネジメント
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/244029248

この記事へのトラックバック

×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。