2010年07月20日

利用者の最善の利益

この仕事は、
本当に答えも、正解もない
迷路にはまったら、いつまでも出口のない

いつもいつも、不確実で不完全な仕事だと思う。

クライエントの個別性や、その暮らしに対する意向は、
その人それぞれで、だからこそ答えがないことは重々承知だ。

頭では分かっていても、すごく辛い事がある。

それでも、クライエントの笑顔に出会い、
だから、この仕事がやめられない。これも、本音だ。

最近、心の底から、嬉しい事があった。

クライエントは、自分の力を信じ、自分の役割を持ち続けたい意向が強い人だった。
進行性のその病気は、そんな彼女の希望を、
少しずつ、少しずつ、蝕んでいっていた。

安全や、生命の危機を考えるなら、
誰しもが、経管栄養やリクライニング車椅子の導入を考えただろう。

嚥下障害を発症したかと思うほど、食事が摂れず体重が激減したが
検査の結果は、食塊を咽頭に送り込めないことが分かった。
食事を継続できる条件は、
食事を刻む事・トロミをつけること・やや後傾して食べること。

これが、守れないなら流動食。

彼女は、自分だけがベッドやリクライニング車椅子に乗って食事をするなどという事は、絶対に嫌だと言った。
みんなと一緒でいい。

でも、それでは、食事を続けることが出来る、唯一の許可が通らなくなってしまう。

みんなと一緒に食卓に着き
口から食事を摂取する方法。

チームが一丸となって、考え、動いた。


…私が、この仕事を続けていける、もうひとつの理由がここにあった。

ひとつは、クライエントの笑顔に出会ったとき。
もうひとつは、クライエントの最善の利益に向かって、チームが動いたとき。

姿勢を伸ばすリハビリを、関係事業所すべてが行うこと。
食事の際に、後傾姿勢を保持するための道具を手作りする。

そして、その道具の材料を買ってきて、
ものすごい笑顔で、私に見せに来てくれた関係事業所管理者。


「彼女、喜んでくれるかな?」


ああ、良かった
本当に、そう思う。

利用者のために、こんなに一生懸命に考えてくれる人たちがいる。
私は、こんな人たちに、支えられている。

利用者に負けないくらい、喜ぶ私。






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posted by 木下 小櫻 at 02:05 | Comment(0) | ケアマネジメント

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